もひょもひょしたブログ

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JAMSTECに行ってきました(1/3)

概要

2泊3日で海洋研究開発機構JAMSTEC:Japan Marine Science and Technology, 以下 JAMSTEC)の学生向け講習会「Blue Earth Academy」に参加してきました。

僕はなにぶん記憶力が悪いので、あとで思い返すときの助けになるよう書き残すという目的も兼ねて、この講習会についてまとめてみます。講習会の内容などを日付ごとに書いていきますが、主観が混ざっていたり、記憶が薄れていて多少間違えている部分があるかもしれません。

JAMSTEC とは

JAMSTECは、世界最先端の海洋科学技術の研究開発や、海洋に関する学術的な研究協力などを総合的におこなっている組織です。本部は横須賀にあり、広大な敷地には様々な施設が詰まっています。しんかい6500を開発運用していることでも有名です。

Blue Earth Academy とは

未来の海洋科学技術の研究開発を担う学生等の育成を目的として海洋研究開発機構が主催する企画です。海洋と地球の学校がもととなっていて、高校生を対象に加えて「Blue Earth Academy」という新たな企画として再始動したそうです。Blue Earth Academy自体は今回が初めての開催だそうで、記念すべき第一回修了生となることができました。開催場所はJAMSTEC横須賀本部で、西は岐阜(違うかも)から東北青森まで、24人の参加者が集まりました(1人キャンセルしたため、本来は25人)。参加は早い者順で、予定の締め切り日よりも早い段階で申し込みを締め切っていたので、なかなかに人気なイベントだったんじゃないかと思います。

集まった人たちは、それぞれ過ごしている環境や興味のある分野などが様々で、少し話すだけでも驚きや関心の連続でした。工学系や地学系、水産系に興味がある人だけでなく、野球部だけど高3になるまでになにかやりたかった!という人や、とにかく深海が好き!という人、JAMSTECに憧れていたから思わず申し込んだ!という人など、本当に様々な人が参加していました。その誰もが楽しみ、それぞれに学べたことがあったように思います。講義内容は基本的に専門知識がなくてもわかるように教えてくれたので、多少なりとも海洋科学技術についての知的好奇心がある人にならばオススメできる内容でした。もちろん優しい内容だけではなくて、実際に携わっている人ならではの専門的な話もしてもらえたので、わくわくしながら聞くことができました。

でもお高いんでしょう?

2泊3日食事付きで、参加費が5000円という安さでした。ここまで貴重な体験ができるのにこの値段で良いのだろうかと思いましたが、こういったイベントで「海洋科学技術の水準の向上を図る」のがJAMSTECの狙いなのでしょうか。

せっかくこれだけの経験をさせてもらえたので、この記事を読んだ人がわずかでも海洋科学技術に興味を持つことでJAMSTECの理念に貢献できたら良いな、というちょっとした感謝でこの記事を書いていたりします。ぜひ興味を持ってください。海にはロマンがいっぱいですよ。ぜひぜひ。

1日目

さて、まずは一日目です。

最寄り駅の追浜で集合して、参加者全員でバスに乗ってJAMSTEC横須賀本部の敷地まで移動しました。

会場に着いたらJAMSTECとBlue Earth Academyについての簡単な説明の後、参加者全員で、軽く順番に自己紹介をしました。所属と氏名、参加した理由を言っていく感じでした。次に、第0講と称して、基礎的な知識を教えてもらいました。

第0講「"海洋国家日本"の未来を拓く海洋技術開発」

Blue Earth Academy の校長、磯崎 芳雄さんによる講義です。とある海洋系高校に通っている参加者によると「ちょっとした授業内容」らしく、まあ集中して聞けば難しい話は無かったように思います。全体を通して講義資料やスライドには難しい単語・理論が書いてあるのですが、それは参考程度になんとなくそういうものなんだなと把握する程度で、講師の方が話してくれる大筋を理解するのが重要かなと思いました。この講義中に画像で見た最新鋭AUV(二日目に詳しく書きます)の「ゆめいるか」がとても良かったです。ゆめいるか、生で見たかったです。

グループ分け

次にグループ分けが発表されました。1グループ4~6人で構成されていました。このグループというのが結構重要で、実習や宿泊施設での部屋割りはこのグループで行います。グループ分けのあとは、実習の内容が発表されました。

研究施設・機器見学

次に、深海巡航探査機「うらしま」や無人探査機「かいこうMk-Ⅳ」の見学をしたり、展示施設の海洋科学技術館を見に行ったりしました。

「うらしま」は全長およそ10メートルと大きく、燃料電池搭載時の重量はおよそ10トンもあるそうで、静かな迫力がありました。自律航行による連続航走距離317キロメートルという世界記録を持っているらしいです。

f:id:G2U:20150327005153j:plain 深海巡航探査機「うらしま」

無人探査機「かいこうMk-Ⅳ」は二つで一つ。ランチャーとビークルに分かれ、通常時は上にランチャー下にビークルという形でドッキングした状態になります。ランチャーがおもりの役割を果たすことで、ビークルはより深いところまで到達して作業できます。また、ランチャーはケーブル(テザー)の管理(ビークルにつながるケーブルをランチャー内に収納したりする)も行っていて、効率的な運用が可能になっています。

f:id:G2U:20150327005211j:plain 無人探査機「かいこうMk-Ⅳ」手前がランチャー、奥がビークル

本物のしんかい6500はミッションで出航しているとの事で見られませんでしたが、海洋科学技術館で実物大模型を見ることができました。 中に入ることができて、内部まで実際のしんかい6500を再現してありました。

f:id:G2U:20150326191054j:plain しんかい6500実物大模型

実物大模型にはマニピュレータ(ものをつかんだりする機構)の操作を少しだけ体験できる仕掛けもあってグイグイ動かしてみました。

f:id:G2U:20150327005455j:plain しんかい6500実物大模型のマニピュレータ

ちなみに僕が一番心をトキメかせた自律型無人潜水機の「ゆめいるか」の模型画像です。海洋科学技術館に展示してありました。堪らないですね。なめらかなフォルムに、上品な桜色と白と赤の模様の調和が美しいです。 f:id:G2U:20150327012736j:plain ゆめいるか(側面)

ゆめいるかを含む最新鋭AUV「ゆめいるか」「じんべい」「おとひめ」について簡単に知りたい場合はここに書いてあります。

知ろう!記者に発表した最新研究<ジャムステック・キッズ<海洋研究開発機構

交流

見学を終えたら、夕食を食堂でいただきました。ここでJAMSTEC職員の人がそれぞれのテーブルで一緒に食事をとってくれたので、話を聞いたり交流したりできました。

夕食会にて一日の予定は終了で、バスで宿泊施設に移りました。同じグループの人と同じ部屋が割り振られていました。あとはもう自由なので、同部屋の人と色々な話をして、二日目の実習のための作戦会議をしました。この自由時間の交流では、自分の知らない世界の話が聞けたので、とても楽しかったし、また大変刺激を受けました。

一日目はこれで終了です。

二日目「JAMSTECに行ってきました(2/3)」に続きます。